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変形性頚椎症

症状

首、肩、腕の痛みやしびれが出現します。

頚椎は7つの骨で構成されており、骨と骨の間には椎間板という軟骨が存在します。椎間板は20歳過ぎより老化変性を来します。気づかないうちに椎間板はいたんできます。

近年、下ばかり向いている方(スマホなど)、仕事の方(パソコンなど)などで、頚椎の弯曲(前弯)が少なくなっている方が増えてきています。

椎間板がいたんでくると、次に頚椎の椎体に骨のトゲができてきます(骨棘)。

骨の形が変形をきたしてくるので変形性頚椎症といいます。

同様に腰の骨が変形してきたものを変形性腰椎症といいます。

椎間板のでっぱりや骨のトゲ(骨棘)により、腕に行く神経が圧迫されると、腕の痛みやしびれ、脱力が生じてくることがあります(頚椎症性神経根症)。

椎間板や骨棘、脊柱管内の靱帯の肥厚により、脊髄が押さえつけられると、上肢の症状の他に下肢の脱力やふらつきが出現することがあります(頚椎症性脊髄症)。

治療法

痛みの強さに応じ、内服薬を処方します。精密検査の後に、物理療法や理学療法を行います。

頚椎症性神経根症や頚椎症性脊髄症で、保存的治療にて改善せず、筋力低下等の神経麻痺症状や歩行障害などの日常生活動作制限を来す場合、手術を要すことがあります。

現代の医学では椎間板の老化を止めることはできませんが、姿勢に気をつけたり、枕の高さを変えたり、パソコン周りの環境を直したり、スマホを触る時間を削ることは頑張ればできます。

慢性的な首、肩、腕の痛みは、徐々に進む椎間板の老化(変性)、骨周囲がいたんできている(変形の)サインとも考えられます。痛みが生じないように姿勢を整え、生活環境を整え、痛みとは上手に付き合う気持ちが大切です。

整形外科学会 パンフレット「整形外科シリーズ12 頚椎症」より画像を引用しております