石灰沈着性腱板炎
症状
中年の女性に多く、肩の激痛で発症することが多い。腕が上がらなくなり、動かそうとすると痛みが増強します。肩関節周囲炎と発症する年代が同じくらいであり、検査にて判別いたします。肩の腱周囲に石灰(カルシウムの塊)が出てきたことによる炎症反応で痛みが生じております。この不要なカルシウムが、関節周囲に出てくる原因は不明です。
治療法
内服や外用剤による保存的治療を行います。痛みが強い場合、注射を行うこともあります。石灰は吸収するタイプと吸収しないタイプがあります。定期的に検査を行い、吸収の有無を確認します。痛みが取れた後に、肩の動きの悪さ(関節可動域制限)が残りそうな場合、理学療法・物理療法を行います。この際に拡散型体外衝撃波を用いた治療も行っております。
腱板断裂を合併している場合や、大きな吸収しない石灰が遺残し、痛みが持続し、日常生活動作に不都合を来す場合に手術を行うこともあります。
日本整形外科学会「整形外科シリーズ 5 五十肩(肩関節周囲炎)」から画像を引用しております。