橈骨遠位端骨折
症状
前腕(肘から先)には橈骨(親指側の太い骨)と尺骨(小指側の細い骨)の2本の骨があります。転倒し、手をついた際に生じます。子供の場合は若木骨折といって、完全な骨折とはならず、ひびあるいは骨折部の隆起、変形のみを呈する場合があります。高齢者や骨粗鬆症を有する方では、転位(骨折部のズレ)の大きな骨折となる場合が多く、外見上もフォークの形に変形する場合があります。
治療
転位(骨折部のズレ)の少ない骨折はギプスシーネやギプス包帯、装具にて手関節部を固定します。ギプス固定を行った後は、循環障害(血の巡りがわるくなっていないか)の有無の確認が必要であり、患肢の挙上や手指の運動を行ってもらいます。
転位の大きな骨折であれば、麻酔をかけた後に整復操作(ズレをもどして)、ギプス固定を行います。整復が困難、あるいは整復してもすぐ転位をきたす可能性のある骨折では、手術(金属プレートとスクリュー等での固定)を行い、ギプス固定を行わず、早期より手関節部の運動を開始しております。当院では手術は行っておりませんので、近隣の病院に紹介させていただきます。
骨粗鬆症に伴う骨折の方は、骨折が治った後も骨粗鬆症の治療が必要となります。
日本手外科学会 手外科シリーズ 13. 橈骨遠位端骨折より画像を引用しております。